ケース(1) 雹(ヒョウ)が降ってきた!

「大きな氷の塊がクルマの屋根や窓ガラスに激突してクルマはボコボコ。修理費は100万近くになりそうなので廃車にするしかありません。保険で何とかならないですか?」

事故を起こしたわけではないのに、クルマが全損。運が悪かったでは済まないですね。

クルマの損害を補償する車両保険は思わぬ天災に見舞われた時にも支払われる場合があります。専門的な話になりますが、「衝突、接触、墜落、転覆、物の飛来、物の落下、火災、爆発、盗難、台風、洪水、高潮など、およびその他の偶然な事故」について車両保険で支払われます。ヒョウは「物の落下」に該当します。 他にも「台風による集中豪雨で道路が冠水してしまいクルマが水浸し」という光景をテレビでよく見ますが、その場合も車両保険に入っていれば支払われるのです。 しかし、天災はなんでも大丈夫というわけではなく、例えば、地震・噴火・津波では支払われず、(但し、特約をつける事により補償できる場合があります)天災以外でも放射能汚染や戦争・暴動などは支払われません。

基本的に保険は請求しないと支払われませんので、自分の愛車に何か起こったら保険会社に確認してみてはいかがでしょう。思わぬ出費が保険でまかなわれるかもしれません。

UPケース(2) ぶつけられた相手のクルマが保険に入っていない!

「信号待ちで後ろからぶつけられ軽いケガをしました。しかし相手のクルマは自動車保険に入っていませ。保険は自分で負担するしかないのですか?」

今回は幸いなことに軽いケガで済んだため相手のクルマの自賠責保険から治療費は支払われます。(*1) しかし、死亡や後遺障害を負ったら大変です。ひどい場合には、当て逃げされて相手がわからないというケースもあるので、自賠責保険だけでは十分な賠償能力があるとはいえません。また、対人賠償保険には加入してはいるが保険料を安くするため僅かな保険金額でしか契約していない、運転者家族限定特約に違反していて保険が支払われないというケースもあります。

そんなとき、自分の保険の「無保険車傷害保険」が十分な賠償能力がない加害者に代わって被害者(自分)に保険金が支払われます。保険金額は対人賠償保険と同額、で対人賠償保険が無制限ならば2億円が上限です。「無保険車傷害保険」単独で契約することができず、対人賠償保険に自動的についています。(*2)

なお、「無保険車傷害保険」は死亡や後遺障害をおった場合に限るため、今回のケースのケガの治療費やクルマの修理費には支払われません。

相手に迷惑をかけないため、ドライバーの最低限のマナーとして自動車保険には入っておきたいものです。

(*1)支払保険金限度額−死亡・後遺障害---補償額は死亡の場合で3,000万まで、後遺障害で最高4,000万円・治療---120万円
(*2)契約によっては、歩行中や他の自動車に搭乗中など車外で死亡・後遺障害が生じた場合にも支払われる場合もあります。

UPケース(3) 盗まれたクルマが事故を起こした!

「ちょっとクルマから離れたすきに私のクルマが盗まれ、そのクルマを盗んだ犯人が人身事故を起こしてしまいました。私には責任ないですよね?」

盗まれたクルマで人身事故を起こされた場合、所有者に責任はないとは断言できません。 例えば、ドアは開けっ放し、カギも入れっぱなしにして、さあ盗んでくださいというような状態にしていた場合は、所有者としての責任(自賠法三条)あるいは保管についての過失責任(民法七〇九条)が問われることになります。 自動車の管理保存にまったく過失がなかったのに盗難にあったというときは、持ち主に責任はありません。ただし、いろいろなケースがあり裁判例もさまざまなので一概に責任はないとは断言できません。

なお、他人の物を壊した場合の対物賠償事故の場合には、一般的に所有者は責任を負う事はありません。また、盗んだ犯人や共犯者が自ら電柱にぶつかるなどの自損事故でケガをしたり、その事故で死んでしまったとしても持ち主に賠償責任はありません。 とにかく、日頃の車の管理は十分に注意することが大切です。

UPケース(4)友人のクルマを運転していて事故を起こした!

「私が友人のクルマを借りて人身事故をおこしてしまい、友人のクルマが壊れました。どの保険が使えますか?また、保険を使うことによって友人にも迷惑がかかってしまうのでしょうか。」

ドライブなどで友人のクルマを臨時に運転するケースはよくありますね。自分(運転者)の保険に自動的についている「他車運転危険担保特約」で賠償保険は支払われますが(*1)、自分(運転者)と友人(クルマの所有者)がどのような保険に入っているかによって、誰の保険から支払われるのか次のように異なります。

友人のクルマを借りて運転している際に事故を起こした場合、「他車運転危険担保特約」に「優先払い特約」がついていれば自分の保険を使って被害者への賠償をすることが可能です。更に条件によっては車両の修理代もまかなうことができます。「優先払い特約」が付いていない場合は友人の車両が加入している保険を使うことになりますので、友人の等級が下がってしまい、友情にひびが入りかねません。友人のクルマを借りて運転する機会がある方は、ご自分の保険の内容を確認してはいかがでしょうか?

自分の保険 友人の車の保険 結 果
×
保険に入っていない。
×
保険に入っていない。又は保険に入っているが、年齢など支払条件が合わない。 友人の自賠責のみの支払い。
他人を負傷させた場合、自賠責保険で足りない部分は当事者で話合いの上、負担。他人のものに損害を与えた場合も同様。車両の修理代も当事者で負担。

保険に入っている。
×
保険に入っていない。又は保険に入っているが、年齢など支払条件が合わない。
友人の自賠責から支払い、不足分があれば自分の保険の「他車運転危険担保特約」から支払い。クルマの修理費は自分で弁償。

保険に入っている。

保険に入っている。
友人の保険から他人に対する賠償責任部分を支払い。車両保険に入っていれば修理代は出るが、入っていなければ当事者で負担。

保険に入っている。
(優先払特約付)

保険に入っている。
他人に対する賠償責任部分は自分の保険から支払い。条件によっては友人の車両の修理代も自分の保険でまかなうことも出来る。(*2)

(*1)自分自身が保険に入っていなくても、自分を被保険者とする保険契約(例えば父親の契約)があれば、その契約から支払われます。
(*2)保険会社によって補償内容が違う場合がありますのでご確認ください。

UPケース(5) 自分の家の塀を壊してしまった!

「ガレージにクルマを入れようとしたところ、あやまってアクセルを踏み、目の前にあった自分の家の塀を壊してしまいました。保険でなんとかなりますよね・・・。」

自動車保険にご加入の場合、「どんな事故でも保険で補償してもらえる・・・」、とっさの場合にはそう思って安心します。でも、どんなに補償の厚い自動車保険でも補償の対象にならないこともあります。

この場合、ご自分の自宅の塀を破損してしまいました。それなら物に対する補償だから対物賠償責任保険でと考えます。ところが、対物賠償責任保険というのはあくまで、第3者の財物を壊してしまったときに賠償するための保険です。 ですから、自分の所有したり管理したりする物を破損しても保険の対象にはなりません。うっかりミスとして納得できる金額だといいのですが、家の塀となるとかなりの修理費が必要な場合も・・・。

なんだか、納得できないと思われるかもしれませんが、自分のものを自分で壊して保険で新しく・・・というわけにはいきません。それが出来るようだと、まじめに保険料を払っている人が損をしてしまいますね。

その他にも、友人から借りたカメラを事故で壊してしまったというような場合も、他人のものとはいえ、自分が管理中の財物ということになり保険の対象とはなりません。自宅に着いて車庫入れするときは、ついホッとして気もゆるみがち・・・。くれぐれも自分の家の財物を壊さないように気をつけたいものです。

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